今欧州に広がる変化はポピュリズムによる選挙結果によるものだと言われ、また米国の選挙結果等もその影響が大きいと言われてくると、今や世界中の民主主義が大衆政治に成り下がって来てしまっていて、それはまた民主主義の危機とも言われなくもない。理想が現実に淘汰され理念より目先の欲望に走り出してしまっているのか。
しかしながらよく見てみると、その原因は殆どが国境を抱えていて、移民による弊害に自国民の生活が侵されつつある現実的問題による所が大きい。人道的には受け入れざるを得ない問題ではあるが、特に今起こっているシリア難民のように怒涛のように押しかけられて、自分たちの生活が脅かされて来ると、人道などと甘いことも言っていられないのも事実だ。そこに排他的意味でのナショナリズムが台頭して来ているのだ。けっして今愛国主義者が沸き上がったわけではない。
もう一つの原因に格差の問題が有る、富める国と貧しい国、自由な国と統制の厳しい国、等‥。幸いにして地続きの国境を持たない日本ではあるが対岸の火事では済まされない時がやってくる。それにしてもあれまで自国民を殺戮し逃避させ、世界中に迷惑をかけても政権にしがみついているアサドとは何たる人間なのか、またそれを応援して解決を遅らせ混乱に乗じて自国の利益を優先するプーチン。それぞれのナショナリズムが存在しぶっつかりあって戦争になる、最低限の集約された普遍的な世界規範なるものでも出来ない限り、無法国家が存在すれば平和も存在し得ないのだろう。