「国民無視の御都合選挙」

  突然にこの心忙しい師走に実施が決まった、と言うより決められてしまった「衆議院選挙」は生活に追われている国民にとって、迷惑以外の何物でもない。選挙に関わる商売の方々は降って湧いた選挙費用の嵐に、 久方ぶりに浸り切っていられるが、アベノミクスの恩恵からも外れた中小零細企業と其の従業員たちは、こ の年の瀬をどう乗り切れるかの心配で一杯である。なるほど、円安は進み、株価の暴騰もあって大企業や投 機筋の多くは、一時的に多額の利益を上げたことは事実であるが、それは限定的な一時的なものであって、国民の多くはその負の部分である諸物価、仕入れ等の値上げラッシュに晒されて、生活はますます窮してい るのが現状である。これを以っても「アベノミクス」は成功と言えるのだろうか。

  「アベノミクス解散」とも言われる今度の選挙は、その意味では輸出力を得た大企業と株や為替を操作する 金融筋は大賛成。それをいいことに賃上げを強要された大企業の従業員も賛成、その好景気のニュースに幻 惑された国民の一部は、やがてその余波が及んでくることを願って賛成。だが現実に毎日苦しんでいる庶民 の多くは疑問か反対であろう。なにぶんにも日本の大企業は利益に見合った税金を納めないことでも有名で あるからだが。その優遇措置の温存の為に、多額の政治献金が政治家の懐に入り、その部分の法律改正を無 視させているのは事実であり、これに加担して来たのが自民党を中心にした議員達である。この種の議員達 が日本の近代化も小さな政府もグローバル化も遅らせて来たのも事実である。

  では今、自民党に本気で反対を言えるのか、安倍さんに退場を告げられるのか。これが問題だ。これと言っ た対抗馬が見当たらないのだ。なんと有象無象の多いことか、なんと底の浅い政界なのだ、GDPが落ち込み 見込み違いがはっきりしているのに、対抗策を掲げ、取って代わろうとする党も人物もいないのである。こ れでは安倍さんがもう一度突っ走る為には、ここらで開き直って一鞭入れてみるかと言うのも解かる気もする、しかし気の進まない選挙ではある、国費の無駄遣い位しか言えないのは悲しい限りだ。

2014年11月26日 | カテゴリー : 今月の一言 | 投稿者 : ハンドレッドリーダーズ