「 募る安倍政権への不安 」

  内閣支持率が 39%と下落して第二次安倍内閣としては、最も低くなって来た。これは今問題になっている解かりずらい安保関連法案のせいではあるが、発足以来ずっと抱かれていたアベノミクスへの不安が増大しつつある事に注目したい。あの華々しい円安株高攻勢の中で安倍礼賛の声は政府の扇動にも乗って高らかに吹き上がったが、実体経済がそんなに簡単に良くなる筈が無いのだ。

  庶民の暮らしは消費税率 3%アップと円安による物価の高騰に喘ぐ事になってしまった。その不安感は先日の「黒田発言」により明白に証明されたのだから皮肉なものだが、現在の株高が経済情勢の結果ではなく「投機筋」によって作り出された「バブル」の様な物だから、虚構そのものなのだ。

  株式投資とは本来その会社の活動に賛同し、成長拡大を期待して株式を買うことにより資本参加するものであるが、今はその会社が何であれ株価が上がれば儲かるので株価だけで判断し売買をするようになってしまった。そこに大幅な金融緩和策で紙幣の大増刷、実体が良くないので借り手がいない金余り状態、余った紙幣が全部投資に回ってしまった結果株価はどんどん吊り上り金融バブルになってしまった。財界は何処も含み資産が膨れ上がり空前の利益を出して一見万歳だが、そんな浮かれた状態なのか。国会議員から年金基金まで投機に走り今や投機天国状態であるが、ばら撒いた分だけ財政赤字が増えたことは一向に問題になっていない。年金基金に至っては過去に膨大な投機赤字を出していながら、また懲りずに投機比率を 25%にアップまでしている。いずれその付けが国民に被さって来る可能性があるのだが。つまりは国民の金を大手財界や議員、投機家達が勝手に掴み取りしているわけだから、何もせずに黙って従っている庶民はますます窮地に落ちるしかないわけだ。

  おまけに円安が進んだ為に世界のとりわけアジアの富豪や投資家達による「日本爆買い」が、凄い勢いで行われている事を問題にしないわけにはいかない筈だ。価値ある不動産はもちろん、水資源を含む山林、原野迄今や外資に食い荒らされ続けているている現状は放置出来ない重大な問題である。
見せ掛けの景気演出の為の、「安倍と黒田」の安売りブローカーコンビの危険性をもっと強く批判しなければ、日本の将来は危うい。今やスター気取りの安倍さんは脚光を浴びて胸を張り颯爽としていて見栄えがするが、リーダーは余り表に出ない地味な思索家が良いのではないか。

2015年06月29日 | カテゴリー : 今月の一言 | 投稿者 : ハンドレッドリーダーズ