金髪の暴言王が、あの大国アメリカの大統領選挙に勝利してしまった。まさか真逆が現実となり世界中が驚かされた。為替相場と株価がすぐに反応して、アメリカは一挙にドル安株安の状態となった。ここまでは想定内ではあったが、間も無く彼の勝利宣言と共に、その言動が予想に反してかなり常識的であったので、一転してドル高株高と跳ね上がり、世界は再び驚かされることになった。うーんさすがは大国アメリカだ影響が大きいものだと感心させられた。この乱高下は米国民の戸惑いと期待を如実に表していて面白い。
アメリカ第一主義、保護主義を打ち出して相互依存や協調主義等は片っ端から打ち壊す勢いに不安は残るが、取り合えず現状の不満を一掃してくれそうな期待が出てきたのだ。その位にいま米国の状態が悪いともいえるが世界中が今不況に落ち込んでいるのだが、強いアメリカを意識してきた米国民にはもはやその鬱憤が限界に来ていたのだ。オバマ流の穏やかな協調主義ではどんどん落ち込んで行く、ここでかつての強いアメリカを取り戻すには、トランプ流の強引にでもアメリカ中心の施策が必要だとする考えに先導され始めたのだ。なるほどその期待感だけでこれほど経済が動こうとしているのだから凄いものだ。
ある意味では、これこそが政治であり政権交代効果でなければならない。実態は新政権の施策がはっきりする来春以降にならなければ判らないが、国民に期待感や希望を持たせられなければ真の政治家とは言えない。今の日本の政治に一番欠けているものなのだ。小池旋風もトランプ旋風も、今の政治家に欠けていて国民が渇望しているものをちらつかせてくれたからなのだ。それが一時の夢であってもいいではないか、希望をもって夢さえ描けない時代にしたのは、偏に政治家のせいでもあるのだから。