「帳尻」と「繰越」と

  今年も残すところ十日余りとなってしまって、公私共ども一応の帳尻が気に成り出した頃だ。私の方はどうやら格好が付く見通しが出来て来ていて、ほっと一息ついてはいるが、まだ油断はできない。

  一方、公の方には、いろいろと問題があって、そう簡単には行かないようである。東日本大震災の復興も遅々として進まないばかりか、何と言っても原発災害処理の見通しは全く立っていない。根本的な解決を図ることが不可能な事が判っているので、目先の除洗作業とか冷却水処理などでお茶を濁していて、その間に国民の目を、やれ経済復興だ、オリンピックだ等逸らさせようとしている、完全に目晦まし先送り作戦である。

  大企業が「原発がなければ国際競争に負ける」と言うので、何とか国民を騙して「原発再稼動」 に向けて暗躍し始めている。なるほど大企業に供給される電気は極端に安いので、電力会社は原子力に頼りたくなるのは解かるが、原発を作り上げるまでには莫大な国費の援助があり、稼動すれば出続ける核廃棄物の処理、一旦事故が起きれば、手に負えないので、また莫大な国費で解決するしかない。全て税金で補填された原発電力を安売りさせているのは、大企業から袖の下を貰って肥り返っている「政治家」どもである。しかも蓄積した「大赤字」は「増税」と福祉の切捨てで帳尻を合わせる気である。これでは「庶民」は堪った物ではない。こっちを増やしたらあっちを減らすとか言って、目先を変えるだけの「朝三暮四」作戦ではまさしく国民を「猿」並みに愚弄している話だ。

  野田さんが、命がけで約束させた「行政改革」には全く手を付けず、「丁寧な国会運営をしたい」などと言いながら、絶対多数の与党の天下をいいことに、強気一点張りである。 今迄の国会とは歴然と違って来ている事は事実であるが、必ずしも、国民のために好転したかと言えば、疑問が多いにある。第一には安倍さんの変身である。このところの顔付までが「傲慢」に見えて来たのは、私の僻みであろうか。「アベノミクス」が持て囃されたのをいいことに、言葉の「帳尻」を合わせるのに必死である。

  自民党の政治はやはり「大企業中心」であり、それも確かに必要ではあるが、全て「中小零細企業」や「庶民の細腕」が支えて来た事も事実である。この辺で、「中小企業党」か「庶民党」の実現をも「繰越」の中に入れておきたいものだ。

2013年12月20日 | カテゴリー : 今月の一言 | 投稿者 : ハンドレッドリーダーズ