「功遂げ身退くは、天の道なり」

  老子に書かれている言葉で、「功成り、名遂げたならば、地位に連綿とせず、さっと身を引くのが正しい道である」という意味でしょう。

  最近、過去に名を成しえた方々が、名誉職に居座り続けた挙句、晩節を汚すケースが目立っている。
もっともご本人達は「私が知らなかっただけだ」「部下が起こした不祥事で個人の問題で組織の責任はない」等と全く重責ある立場を理解もしていないご様子なのには、呆れてものが言えないが、最高の地位を責任無しの単なるシンボル化してしまっている組織にも問題がある。それもボランティアならいざ知らず月給200万でその上年間交際費1000万とは恐れ入った役職である。全野連しかり、全柔連、相撲協会しかりである。

  世の中の古い組織は殆どが大同小異で、役職の順送り、天下りの温床でもある。これらがいつまでも改善されず悪化の一途であるから、いよいよと成れば膿も出てくるのである。しかしこの地位を狙って順番に列が出来ているのであるから、内部から改善など期待できるはずが無いのです。しかしこの「役職順番制」の組織構造は組織の硬直化となり、非効率、無責任化、無改革主義となるばかりでなく、膨大な無駄遣いなのが大問題なのである。「功を亡用に加えず、財を亡謂に損なわず」とは「漢書」に書かれていて「役に立たない事を仕事にしたり、意味のないことに財を使うな」と書かれれているところを見ると、有史以来全く改善されていないのであろうか。

  これらの全ての統治機構の改革を謳った「日本維新の会」は橋下代表の最近の言動により、端緒についたばかりなのに残念ながら凋落の道を辿りはじめてしまった。あの大阪知事に初当選し、県議会で涙を流しながら改革の必要性を訴えた姿は何処へ行ってしまったのだ。この大事な局面で自重しなければならない筈が、最近の「傲慢不遜」な態度は「改革への情熱」より大物振り、見栄を張ることに酔ってしまって、初心を忘れ「変身」してしまったかのようである。最後まで「黒子」を任じていた「坂本竜馬」との人物の違いが歴然としてきてしまっては「改革の旗手」が「改革潰し」になってしまっている。真の大物とは、そんな口先ではものは言わないものだ。

2013年06月29日 | カテゴリー : 今月の一言 | 投稿者 : ハンドレッドリーダーズ