孔子の政(まつりごと)の重要さを説いた言葉の一節である。その器(うつわ)でもない者に、地位や爵号等の名称を与えてはいけない。これを間違えると社会の秩序を守る事は出来ないと言う意味でしょう。「馬鹿ほど怖いものはない」、「狂人(きちがい)に刃物」等と、昔から自制心のない人間は何をするか解らない恐さがあった。最近の訳の解らない凶悪犯罪もそうだが、その最たるものが「北朝鮮」であろう、傍迷惑な話である。
どんなひどい国でも「内政不干渉」が不文律であるから、他国民がとやかく口出す事は出来ないが、自国が脅かされるに至っては見て見ぬ振りも出来まい。「北」の国民も望んではいないだろうし、世界中の殆どの国は自国の問題で手詰まり状態なのに、いきなり「ミサイルをぶっ放すぞ」と吠え出したのには世界中の良民が驚き脅えてしまった。正に「気違いに刃物」である。十七八世紀ならいざ知らず、あの世界大戦を経験し、少しは賢くなり「共存共栄」が一番の道だと解っている筈のこの二十一世紀に、未だこんな国が存在している事事態が不思議であり、狂気の沙汰としか考えられない。閉鎖された社会の中で武器をもった軍部の台頭と政治の貧困から大事に至った日本やドイツの過去が繰り返されては成らないし、現在の武器弾薬の発達を考えれば悲惨さはその比ではない。
こんな時ほど政治外交の力が発揮されねばならない時は無いであろうが、現代社会でも相手が狂人だったり無法者だったりした時には免れ得ない場合もある。善良な庶民がこんな無法者の手に掛かって、いきなり無為に命を奪われてしまう事が日常化している現代社会の欠陥部分を早く修正する必要があろう。これらの問題と北の問題はスケールの違いはあるが、似て非なるものでもない気がする。落ちこぼれ感、ひがみ、あせり、からいわれのない恨み敵意自暴自棄へとなって行く過程が見えるような気がする。その犯罪が常態化してしまってはもう救われまい、麻薬・偽ドル・誘拐・拉致・テロ・等と犯罪を繰り返してきたが、本人が死去したことでひょっとして改善されるかと世界中が見守っている中で、当初はその兆しも見えて来て成り行きを見ているうちに、ミサイルの試射に成功するや、突然豹変して本性を表し今まで改善されつつあった南とのルートも断ち切り、なりふり構わず世界を相手に戦争をも厭わない素振りで脅しに掛かった様は常人とはとても思えず、わがままに育てられ自制心もなく図体だけ大人になった未熟児、現代の犯罪者にも通じる身勝手な「幼児大人」が殺傷力のある銃を手に入れてしまったからさあ大変、ちょっと撃つ素振りをするだけで周りの大人が逃げ回るのが面白くて、脅かしているうちはいいが、どうしても撃ってみたくて、殺してみたくて仕方がなくなってしまう。
こんな出鱈目なならず者が軍隊ばかりか核兵器まで持っていては、無事には治まりそうに無い。ここまで成るまで放置してきた周辺国にも大いに責任がある。周りの大人達がそれぞれ身勝手な理屈を言わずに、一致して脅し、すかしてでも武器を取り上げねば安心して寝る事も出来ない。その上で、全てが社会から隔絶し孤立している処に原因があるわけですから、交流が全ての解決策のように思えるが、独り善がりの独裁体制を無理に維持する事事態が全ての原因になっている。通信、情報の発達した現代ではその事事態が無理な事なのだから、自ら全ての独善的権力を捨てて国際社会に飛び込んでくる勇気があればいいのだが、社会も国際社会もそれ程冷たくはないし、かなりの許容力を以って受け入れられる筈である。自分の為にも社会の為にもそう願いたいものだ。