「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」

  と論語にある。人と人の調和の仕方で人物の大きさが分かり、その結果に大きな違いが出るというのだ。今度の解散前後の政治家と称する方々の動揺と烏合衆参の様相は、こんな連中に任せていては、本当に日本は立ち直れそうにない疑念がより強くなってしまった。TPP、にしろ原発にしろ、国民のその時の感情に左右された乏しい知識では、国の将来を左右する程の判断を任されても困るのだ。 景気がよくなり税収が上がり、国が富んで豊かになり、医療・福祉が充実し、国民が安全に元気に、その上幸せに暮らせる国に導く事こそが、「国民の付託を受けて選ばれた政治家達が、金と時間に任せてあらゆる専門家からの情報を分析し、全身全霊をかたむけて判断して行なう事ではないのか。」また、その覚悟がなければ政治家を目指す資格が無いのだが、その覚悟があったら、そんなに簡単に賛成・反対、参加・不参加、と言えるのだろうか。「選挙受け」を狙って大衆に迎合し、国民の目線で発言し、烏合 衆参を繰り返している自称「政治家」達では、国は必ず滅んで行くのが当たり前ではないのか。

  ここで「国の繁栄を願う心と、その為には自己犠牲をも厭わない覚悟と、国際社会を意識した国家観」を持った本物の政治家を100人-200人程選んで、小さくても効率的な政府とそれに見合った新統治システムを構築し、行政はコンピューターとシステムマシーンを駆使して省力化し、過剰なサービスは止めて、無駄な無能政治家と、無用で非効率な公務員を大幅削減し(共に現在の1/3で十分であろう)、つまり現在の統治機構の解体と再構築がどうしても必要なのである。今の状態を引き摺っていては、まもなくギリシャ、スペインの二の舞だし、今後二度と国際社会で日の丸が高揚されることはないはずだ。

  この事に警鐘を鳴らしているのが橋下氏であり石原さんなのだ。手遅れ状態ではあるが早急に改革をしなければ絶望状態に陥ってしまうと、時間が無い中でなんとか方向だけでも着手しなければ、改革も何も全くの手遅れなってしまうとの焦りからか、このところ稚拙なミスを重ねては理解者にさえ疑問を生じさせている。野田さんの不意打ち戦法に一本を取られて、いま必死に迎撃体制を整えてはいるが、現体制の制約と慣習に合わせなければ成らず、全てに手薄状態で危うい。一つには移り気な選挙民にどれだけ真意に理解を得られるか、どうアピールすれば理解されるかに苦慮して、やはり身近な消費税、原発、TPPを言わなきゃならない同じ土俵に上がってしまったことに弱みが出た。しかし今一番急がねばならない事は、この国の「統治機構の改革」なのだ。さもなくば、税金ばかりが無駄遣いされて何も進まない日本が取り残されてしまうのだ。選挙民の高度な判断が必要だ。

2012年11月29日 | カテゴリー : 今月の一言 | 投稿者 : ハンドレッドリーダーズ