「武士は食わねど高楊枝」は、決して他人には弱みを見せない心の強さと意地を表している訳だが、弱みを見られる事を「恥」としていたのだ。「恥を掻く位なら死んだほうが増しだ」という一言に支えられた「恥の文化」こそ、誇り高い日本文化の象徴ではなかったのか。
しかるに、この頃の日本は「恥っかき」や「恥さらし」ばかりが目に付くばかりか、のさばり跋扈するに至っては、もはや「何をか言わんや」である。最近は、生活が上手く行かずにムシャクシャすると、だれかれ構わず人殺しをしたくなる狂人のような若者というか馬鹿者が、毎日のように新聞を賑わせているが、その一人が「親に恥を掻かせたくてやっ た」と言った。 こんな嘆かわしい日本にどうしてなってしまったのか、まず政治家から始まって、一人一人が自らの姿を見詰め直し、恥ずかしくない生き方を探してみる必要があるのではないか。