日本は伝統的にもの作り国家であった。
が、近年その伝統は失われたばかりか、技術の継承もなされないままに消滅してしまう事が問題化されている。しかし最早気付くのが遅過ぎた感がある。世の中が経済発展のみに傾注する中で、忘れられ捨てられてきた今、問題が顕在化して弊害に驚いてからでは、枯れ木に施肥をするかの如しである。
伝統技術とは、時間の積み重ねの中で育ってきたものであるから、一朝一夕の空念仏だけで俄かに蘇えるものではない。 先ずは、世の中に「金や富」よりも大切にしなければならない技術や芸術があることを子供の頃から理解させ、尊ぶ心を育てていかなくてはなるまい。