こうも次々と国家的不祥事が連続し、社会では異常でかつ稚拙でもある犯罪が毎日引きも切らず紙面を賑わし、その上これらが全く解決する見通しさえつかない混沌たる状態の中では、まともに活きて行く事自体が実に驚くべき事ではないのか。
経済の凋落と共にどこまでも荒んでいく人心を、何とか食い止めることが出来たのは、やはり家族愛であったのだろうが、今やその絆さえバラバラに千切れ飛んでしまっているようである。
毎日のニュースに驚かされていたのは過去のことで、今や見聞きする事に苦痛さえ覚えるようになると、自分の活力さえ奪われてしまう恐怖を感じるこの頃である。 これでは子供たちに希望を持って生きよとか、大志を抱けなどととても言えない状況のなかで、子供を育てながら、ささやかながら平凡な家庭を維持している貴方と私は、実はすばらしく立派な誇らしい人格者だったのだ。