日本人の生活の中に深く根付いている「干支」に由来するのだが、年が変わるごとにやれ牛だ、虎だと話題になり一喜一憂する。私も寅年生まれなので、虎には人一倍の思い入れがあって、若い頃に「虎の会」なるものを作って虎を自認する仲間が集って、楽しみや生きがいを共有してきた。虎をより強く意識することが今までの人生に大いに影響してきた事も事実である。
これ程に影響する「干支」とはなんぞや、通常は「えと」と読むが本来「かんし」と読み、十干十二支の意味であって、甲乙丙丁戌己庚辛壬癸の十干と、子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の十二支のことである。この組み合わせで60年で一回りとなるのである。
さて、虎は千里走って千里戻るといわれその行動力の大きさと、寅を「いん」と読みよく動くさまを言うところから、今年に期待するものは大きいのだが、現実ははなはだ絶望的である。やっと政治改革元年かといわれながらスタートはしたが、その後のもたつきはなにより鳩山首相の力量指導力不足によるものだが、きわだって小沢一郎の政治の私物化による混乱はその極に至る状態であるのが問題である。倫理はおろか常識さえわきまえない、一人の時代遅れの恥知らずな守銭奴政治屋に、この文明国日本が振り回されているのが現状である。なんという情ない姿であろうか、今この現状に民主党に投票した国民の8割以上が後悔して歯軋りを噛んでいるのだが、次の選挙まで待たねば答えが出せないのだ。まさに「画虎類狗」か「虎の威を借りた狐」と言ったところであろうか、もはや偽者では何事も処置できない難しい時代になってしまったのだから、今こそ本物を求め見つけ出していく力を持たねばならない。昨今のデフレの影響でか安物偽物横行の風潮があるが、心まで毒されないように注意しなければならない。