大きな事を為そうとする者は、個人的感情や怨み事などにこだわっていてはいけない。という意味で「後漢書」にある言葉です。一国の将来を左右する程の大事はまさに之に当たるわけである。
今、TPP問題で国を二分する騒ぎになっているのは、個々の既得権益を守ろうとする者とグローバル社会の中での貿易立国日本の将来を憂うる人間との戦いであり、自分の利害だけに拘っている人間と、これからの大きな国益と将来像を想う人間との争いでもある。とすると「国」に対する基本的概念の認識の違いがあり、構成の基本であるサポートの意向を忘れ、ただ依存に寄り掛かっている部類の人間が如何に多いかがうかがい知れる。戦後抑圧されていた「エゴ」が爆発してバブルで膨れ上がり、その上バラマキ行政に飼い慣らされ今や制御不能の状態に陥っている。
こんな時代に政治家を目指す人間はその事に充分な覚悟が無ければならないのに、当のご本人達がパラサイト人間そのものなのだから始末が悪い。こんな部類の人間に支えられながら尚、国益と将来像を指導しなければならない首相の心情は察して余りあるものがある。
「TPP」どころではない「財政再建」、その為の「増税」に至っては、「行政改革」「議員定数削減」と自らの身を削る話になるから、これらを国民全体で支持していかなくては、議員達だけでは全く進まないのである。「農業改革」「JA問題」「社会保障」など利権が絡んで自主改革が出来ないものについても、国民全体で改革を目指さなければ日本の将来はない。ギリシャ、イタリヤ、スペインと放漫経営国の行く末は明白で対岸の火事では済まされまい。