続 「募る安倍政権への不安 」

  今年の暑さはかなり過酷だ、やはり異常気象なのだろうか、世界中がなんらかの被害にあっているのだから、温暖化対策は焦眉の急である。

  といって原発再稼動に進むのはいかがなものか。この問題は孫子の代どころか100年200年先迄にも禍根を残すことになるので、軽々しく即断できる事ではないのだが、政府と電力会社は目先の利権にこだわりなんとしても再稼動を急いでいる。これは「原子力」に多額の投資をしてきた政府、それに連なる族議員達、これを「飯の種」にして来た産業界と学者連中、その下請け孫請けとその裾野は大きくその方向を変えることは簡単ではないのは解る。
だが、あの福島を経験した当事国として、その影響の大きさを考えれば、あの技術先進国ドイツのように即時全面廃止の方針こそが英断ではないのか。原発ゼロでこの過酷な夏を乗り切りつつある今こそ、その「決断」をし国民に協力を要請して全力を挙げて「原発ゼロ」に邁進すべき時ではないのか。

  安保関連法案についても、周辺状況の変化と訳解らず覇権主義をとる周辺国の中に有り、ちょっかいを出され苛立つ気持ちも理解出来るが、それに真っ向から対抗していては、過去の過ちを繰り返すことになりはしないのか。今や世界有数の軍事力を持つわが国だからこそ、その力を少しでも外国に影響を与えるような行動は厳に慎まねばならない。戦後70年再びあの戦火の中には絶対に戻らない決意こそが必要であろう。戦争の悲惨さ愚かさを味わった世代が少なくなって来た今、その事には殊の外留意せねばならない。「日本は大国ではない」。安倍さんはその辺をかなり誤解しているようだ。

米国、ロシア、中国等と肩を並べている気がしている、もう少し謙虚にならなければならない。あの世界大戦を起こし世界に多大な迷惑を掛けてしまった事にを忘れてはいけない。そして例えそれが米国から押し付けられた憲法であっても、その平和憲法の下で70年も無事に過ごせて経済復興も出来ある程度の豊かさも享受出来ている事を忘れてはいけない。

  日本の再起の原点はこの平和憲法にあったのだ。そしてその憲法の下に国民があり民主主義があって国民が選んで国会議員がいて国会がある。つまり主権在民が民主主義の原点なのだ。いつの間にか国会が国民を支配し、全ての原点が国会であるかの如く思っているらしい。国民が認め守って来た「憲法」が犯してはならない原点であり従わなくてはならないものである。選挙制度の不備なのか、制度そのものが欠陥なのか、国民の2割に満たない得票で選ばれた自民党が国会を支配し、国民の将来までも奪おうとしているのは、考えればおかしな事だが、70年目のこの暑い夏の寝苦しい日に再びあの懐かしい昭和天皇の玉音放送の全文を聞かされて、その大きさ奥深さと国民に対する愛情に改めて深い感動と感謝を覚えた、この御心を無駄にしてはいけない、いまこそ真剣に自分達の将来像を思い描いて、今何をして何を守らねばならないかを考えよう。

2015年08月29日 | カテゴリー : 今月の一言 | 投稿者 : ハンドレッドリーダーズ